震源地から近かったこの村は地震により大きなダメージを受けました。家屋の損壊、物資の不足など被災直後は多くの問題がありましたが、現在は復興へ向けて少しずつ歩みを進めています。
その状況の下、私たちはできうる限りのお手伝いや寄付を行いました。また、この活動は以前からこの村で活動を行っていた日本のNGO団体と協力して行いました。
-家屋の建築 ~レンガ・鉄筋の再利用~
農村部の家屋の多くはレンガでできています。そのため再建には膨大な数のレンガが必要となります。村の人たちは新たに購入してレンガを集めていますが、その他にも倒壊した家屋から使えそうなレンガや鉄筋を運び出し、ついているセメントなどを取り除き再利用もしています。
作業はがれきの山の中で使えそうなレンガを探すことから始めます。中には何個かのレンガがひっついているかたまりもあり、その場合はハンマーで叩いて分解します。
そして取り出したレンガは両刃包丁のような道具でセメントを削り落とし、使えるようにした後、一旦別の場所に置いておきます。このレンガは後で家を再建する際に建設地へ運んで使用します。
-"ジャーヨ"・・・声を掛け合い、みんなで協力。
家を建てるには、何万ものレンガが必要です。なので、レンガを運ぶ作業も多くの時間がかかり、大変なものになります。リレー形式で運んだり、リアカーに積んで運んだり…作業は大変ですが、村の人たちと一緒に行い、汗を流すことでお互いを分かり合うことができました。
また、倒壊した家からいらなくなった木材を売るためにトラックへ運ぶお手伝いなども行いました。
-村の人たちの現状から見える四川の"今"は
被災者証明証をもつ村の人たちは、政府から1人あたり1日10元と500グラムの食糧が支給されます。しかし、この支給もいつまでも続くものではないため、自給自足が通常のこの村では多くの人が出稼ぎに行きます。
四川省はもともと出稼ぎのために他の省へ行く人が多く、今回の地震では家の再建のために戻ってきた人もいますが、さらに出稼ぎに行く人が増えてしまった現状があります。また、12月の初めまでに自分たちで家を建てられたら政府から補助金が下りるので、村の人たちは毎日一生懸命家の再建へ向け作業をしていました。
村の人たちの多くは倒壊した家のそばでテントを建てています。日中はそこで家の再建をして、夜になるとテントや仮設住宅に戻って寝る、という生活をしています。
ある建設業を営む家の人は、仮設住宅に入らず、すぐに仮の家を建てたので政府からの補助金をもらえることになりました。しかし、補助金の支給には時間がかかるらしく家も借金をして建てています。
また村のお医者さんは地震後、政府の指令で無償で多くの人を診察してきました。そのため自分の家の田んぼに手が回らず、収穫が見込めなくなりました。医者としての仕事や食糧問題など多くの問題を抱え、一時はうつ状態になりかけたこともあったそうです。
-みんなの想いを、現地の人たちへ
村のこれからの課題はたくさんあります。家の再建、食糧問題…また、冬を迎えるための準備が未だ不十分です。
そこで私たちは長崎で集めた募金を使ってダウンベストと、雨でも作業ができるようにカッパを寄付することにしました。この寄付品にメッセージカードを添え、1件1件を訪ねて配り歩きました。その時の村の人たちの嬉しそうな顔、やさしい掛け声は今でも心に残っています。
私たちが手伝えたことはほんのわずかにすぎませんが、村の人たちからお昼御飯に誘っていただいたり、手紙や感謝の言葉をたくさんもらいました。私たちもまた、困難な状況の中笑顔を絶やさない彼らから多くの力をもらいました。村の人たちの心の中には確かに私たちとの思い出がある―そう感じました。
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